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清検査を行ったところ、いずれも高い値が得られた(妻10)。
<糞便検査>
検査対象は、Khong DistrictとMounlapomok Districtについては95ELISAでELISA値が0.3以上、Pathoumphone DistrictとSanasomboune Districtについては0.2以上を示したものとした。各小学校およびBan Nadiにおける検査結果を表11にまとめた。

 

考察
小学生学童のELISAの結果を95年と96年とを対応させて示した図3から、相関係数(R2=0.108)は比較的低いものの31例中28例で陽性の値(陽性限界=0.2)を示しており、高い抗体価が維持されていたと考えられる。今回の糞便検査ではメコン住血吸虫卵は検出されず、直接的に活動虫体の感染は確認することはできなかった。
糞便検査でメコン住血吸虫卵陽性であったNadi村の2名のELISA値はいずれも陽性で、特に1名は1,162と非常に高い値を示した。このことは日本住血吸虫卵抗原が、メコン住血吸虫感染者血清と交差反応することを示唆している。
他の人体寄生蠕虫については糞便検査の結果、鉤虫、鞭虫、タイ肝吸虫の感染率が非常に高いことがわかった。特に鉤虫は3つの村で100%検出されており、その他でもNadi村以外の村では50%を超える感染率となっている。Nadi村の検査結果については、検査法が他の村ではFormalin-detergent法であったのに対して、直接塗沫法を用いているため検出率が低くなっている可能性が考えられる。今回検査をしたNadi村以外の9村65人のうちどの虫卵も検出されなかったのはわずか5名で、全体の約92%は何らかの寄生虫に感染していた。
ELISAの結果の評価については、以上のことをふまえてさらに検討していく必要があると考えられる。

 

 

 

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